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2010,11,17, Wednesday
韓国では、来春(新学期は3月から始まる)から、すべての小中学校において、英語、国語、数学の3科目についてデジタル教科書導入を義務化する。さらに2013年には、生徒1人1台のタブレット端末導入を目指す。
(http://bit.ly/c5ojLz Wired Vision 2010/10/04) 日本でもデジタル教科書については様々なところで議論されています。ipadの登場以来その議論はますます盛んになっているようには見えますが、 現場の多くの教員がそれを望んでいるかというと、そうでもありません。 ネット上ではかなり熱い議論も交わされてはいるのですが、コンピュータやネットを自在に使う教員とそうでない教員の間にはかなりの温度差があるんじゃないかと思います。 デジタル教科書ではリッチコンテンツを使うことにより、紙の教科書にはない動画や音声も埋め込むことができ、教科書としての表現力は確かに非常に高くなります。 だから授業は面白くなるかというと、そうではありません。初めは今までにない驚きや感動があるかもしれませんが、それはすぐに飽きられてしまいます。 デジタル教科書導入については様々な課題が残されています。 インターネットにも接続するのであれば、各教室の無線LAN環境も全ての教室に配置する必要があります。 そして、充電設備。これを作るのには結構なコストも必要です。 以前、高等学校教員時代に情報コースを担当していて、クラス全員に卒業まで一人1台のノートPCを配布して自宅や教室、そして授業でも利用していましたが、故障などの対応も大変でした。 1学年1クラスだけのコースでも大変だったのですから、これが全校生徒となると考えただけでもぞっとします。 ハードウェアやインフラ整備だけでも問題山積ですが、もっと重要なことはデジタル教科書を教育ツールとして全ての教員が使いこなせるのかといいうことです。 デジタル教科書は単なるツールであり、授業の主体は生徒であり、教師です。様々なコンテンツを使い今まで以上に楽しい授業が設計できるのかどうか。 現職の教員についても全教員が対応できるかどうか不安な面がありますが、これから教員となる学生を育てる教員養成大学でもそういった対応はほとんどできていません。 教育工学関係の科目で取り扱う場面はありますが、時間的にはあまり無いのが現状です。 教員養成大学などでもっとデジタル教科書についての検証実験や実際に学習ツール、教科書としてもっと多くの大学が取り入れてみて様々な問題をクリアする必要があります。 ■東大阪大学・東大阪大短期大学部 ■東大阪大学情報教育センター ■太田研究室
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